意識の光でペインボディを溶かす

長期間の抑うつの果て、いわゆる「悟り(内側の変容)体験」をしたエックハルト・トールさんの

本を最近、読み直していました。

カウンセリングを習い始めた時、エックハルト・トールやバイロン・ケイティといった世界的な

非二元のティーチャーの存在を知ることが出来たのはとても大きかったと思います。

私が読み直していたのは「さとりをひらくと人生はシンプルで楽になる」という本で、

原題は「The Power of NOW」です。

 

私たちはいかに過去の記憶に苦しみ、未来に不安を抱え、「今」にいないことか・・・

過去と未来にばかり思いを巡らすこと自体が「自我(エゴ)」の働き。

 

久しぶりに読んでみたら以前読んだ時よりも、しみじみと腑に落ちることばかりで、

「これは皆んな読んだ方がいい!」と思ってブログを書いています。

 

エゴを悪者にしたいわけではないし、3次元に生きている限り、

エゴは私たちを機能させている重要な役割を担っているとも思っています。

それでも声を大にして言いたい。

エゴは本当に苦しい!!

 

エゴを満たそうとするのは、最初から負け戦です。

なぜならエゴは決して満たされないから・・・。

 

エゴのレベルで幸せになろうと思って、

何かを手に入れたつもりになっても、エゴはすぐ「もっともっと」と要求してくる。

相手や対象を大切に思えば思うほど「執着」が湧いてくる。

 

生きていることが苦しい人は、もちろんトラウマを癒したり、

自分を苦しめている「思い込み」を見つけて解放することなどは有効です。

それでも状況に左右されない内なる平安感や、平和な世界を創造するためには、

根本的な「エゴ(自我)の働き」を知っておくことは欠かせないと思います。

 

誰も好きこのんで「苦しい人生」にしたい人なんているはずないのに、

セッションをしていると「人は自分で自分を苦しめているんだなあ・・」

と感じることがあります。

セラピストという客観的な立場だからこそ、相手のことが俯瞰してよく見えるんですが、

私も「頭では分かっているけど、その苦しみから抜け出せない」ということは

たまにあります。

それでもエゴの働きを知っているからこそ、その苦しみとも100%同化してしまう

訳ではなくて、自分で突っ込みを入れられる「スペース」があります。

それだけでも体感で感じる苦しみは雲泥の差です。

 

私がエックハルトさんを知って一番衝撃を受けた概念は「ペインボディ」というものです。

 

過去の経験によって積もっていった痛みは、ネガティブエネルギーとして心と体にくっついています。

それをエックハルトさんは感情の痛み、「ペインボディ」と呼んでいます。

ペインボディには活動しているものと、眠っているものがあります。

このペインボディは自らが存続するための栄養、つまりペインボディと共鳴するエネルギーを欲しています。

そのため同じ種類の感情の痛みを引き出す状況を、人生の中に作り出します。

 

皆さんも、人間関係でのつまずきや、ショックな出来事など、人生で何度も同じようなパターン

を繰り返したことはないですか?

これがまさにペインボディの働きです。

 

人生の大半をペインボディとひとつになって過ごしてきた場合、それが自分のアイデンディティに

なってしまうこともあり、その自分を「ほんとうの自分」と信じ込んでしまうことがあります。

さらに興味深いのは、ペインボディは個人的なものだけではなく、「集合的ペインボディ」という

ものもあり、例えば女性は、歴史の中で女性が被ってきた痛みの「集合的ペインボディ」を

共有していて、そのペインボディと共鳴してしまうこともあるそうです。

特に月経時に女性はその集合的ペインボディに支配されてしまうことがあるというのも、

思い当たる方も多いのではないでしょうか?

 

ではこのペインボディと共鳴しないためにはどうすれば良いのでしょうか?

エックハルトさんは、「いまに在る」ことでペインボディを「ほんとうの自分」ではないと認識すると、

ペインボディは「意識」に変わると言っています。

つまり、無意識にペインボディと一体化してしまっている状態から、ペインボディを「観察」し、

それが「ほんとうの自分」ではないと見抜くことで、ペインボディのエネルギーは溶けていくということです。

 

自分、もっというと「思考」を俯瞰(観察)する力は、無意識状態から目覚めて意識的に「気づく」

ためには欠かせませんね。

 

エゴについてはまだまだ書きたいこともありますが、カウンセリングやセラピーなどを受けても

なかなか楽にならない方や、変化が起きないという方もぜひ、エックハルト・トールさんの本を

読んでみて下さい。

 

あなたがなかなか楽にならないのは自分のせいではなくて、

エゴの働きと同化してしまって、それを真実だと思い込んでいるだけかもしれません。

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