先日、NHKのあさイチという番組で「インポスター症候群」の特集をしていました。
インポスター症候群とは
高い実力や実績があるにもかかわらず、「自分は能力が低い」「周囲を騙している」と自己評価を下げる心理状態
のことで、1978年にアメリカの心理学者によって提唱された概念です。
英語でインポスター(imposter)とは「詐欺師、ペテン師」という意味です。
自分は実力以上に周囲を騙していると感じたり、それがいつか周りにバレるのではないかという不安に駆られる状態です。
男女問わず見られますが、特に高学歴や成功している女性に多いと言われています。
女性に多いのは、社会的に「女性が能力を持つこと」に対するジェンダーバイアスや、「女性は控えめで謙虚でいるべき」といった暗黙のステレオタイプの環境要因も大きそうです。
インポスター症候群は「高い実績を持つ人」を対象とした研究で報告されました。
しかしながら、日々の生活の中で「自分なんてまだまだ」「本当の自分は大したことがない」と、自分の価値を認められずにいる多くの人の心に共通する仕組みだと言えるかもしれません。
この感覚の根底にあるのは、実績の有無に関わらず、現代社会の中で私たちが抱える「比較の痛み」や「自信のなさ」ではないでしょうか。
IFS(内的家族システム)に当てはめて考えると、
- 人と比較して「自分は能力が低いのではないか」と不安になるパーツ
- 「いつかそれがバレて、責められたり、人が去ってしまうのではないか」と恐れるパーツ
などがいそうです。
NHKでは「自信が持てない」気持ちと向き合うヒントが紹介されていましたが、IFSはインポスター症候群にも有効だと感じます。
実際、コメンテーターとして出演していた方が、「インサイドヘッドのように、脳内にいる色んな自分のキャラクター同士が話し合いをしている」とまさにパーツアプローチの様な話をされていました。
自信のないパーツに寄り添い、どんな痛みや思い込みがあるのか、自分に対してどんな役割をしてくれているのかなどを聞きくこと。
その奥にいる追放されたパーツ(IFSにおける、心の奥底に閉じ込められた傷ついた部分のこと)の重荷を癒していくことは、間違いなく助けになると思います。
もちろん「こんな視点を持つといいよ」という外部からのアドバイスが有効なこともあります。
それでも、自分の内側に目を向け、パーツを理解し癒していくプロセス、そこから自ずと生まれる新しい視点は、誰かに教わったものよりもずっと力強く、あなたを支えてくれるはずです。
「自信がない自分」を排除するのでも、改善しようとするのでもなく、その声を入り口にして、自分自身とより仲良くなるきっかけにしませんか。
次回は、なぜ「自信をつけよう」と頑張れば頑張るほど、私たちは苦しくなってしまうのか、私自身の経験も交えながら、「比較と自信」の切っても切れない関係についてお届けします。
