久しぶりにHSPに関するブログです!
HSP(ハイリー・センシティブ・パーソン)という言葉はここ1、2年でグッと認知度が上がったと感じています。
大多数の人より繊細だったり、敏感な人が、
「それは悪いことでも変なことでもなくて
あなたの素晴らしい特徴なんだよ」
ということが広がって、
自己理解が進んで、自己肯定感が上がったり、
周りの人からも理解されやすくなるのであれば
とても嬉しく感じます。
先日、HSP/HSCプロデューサーの皆川公美子さん主催で「繊細なあなたが恋に落ちるとき」の日本初上映会と、
日本におけるポリヴェーガル理論第一人者の浅井咲子先生の映画解説イベントに参加してきました。
前回「HSP ~ The untold story(センシティブ 語られなかった物語)」
というHSP理論を提唱したエレイン・アーロン博士の最初の映画を見てブログを書いたのがもう2年近く前になりますが、
今回の映画はエレイン博士がご本人役で出演しています。
「HSP ~ The untold story」はドキュメンタリー映画ですが、今回の映画はフィクションです。
主人公のジェシカは外交型HSP(外交的だけれども人より繊細なHSP)で、内向型HSPのジェシカの兄や
非HSPのキャラクターや、サイコパスチックなキャラクターも登場します。
主人公のジェシカは「HSPの私を理解して!」というエネルギーが
強すぎるように感じたところもあったので、すべてに共感できた訳ではありませんが、
HSPであろうと非HSPであろうと
お互いを理解するために歩み寄るのが大切だなと
非HSPさんの気持ちも逆に理解できました。
実は映画そのものより、その後の浅井咲子先生のお話がとっても面白くて興味深かったです!!
浅井先生は公認心理師で、トラウマや神経系へのアプローチの本も多数出版されています。
今回の映画の登場人物別に愛着の傾向を推測しながら、
なぜ彼らが「そういう行動をとってしまうのか」などの解説をしてくださいました。
愛着障害とは親などの主養育者との愛着形成に何らかの問題を抱えている状態のことですが、
大人になってからの対人関係にも強く影響します。
障害というと「自分は関係ない」と思う人が多いかもしれませんが、
本当に健全な愛着を形成できている人は実は少数なんじゃないかと思います。
浅井先生の解説が分かりやすかったので、愛着のパターンをまとめてみました!
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- 安定型
誰かと繋がることも問題なく、見捨てられる不安が少ない。
レジリエンス(回復力)が高い。
- 回避型
親や主養育者から感情的な暖かさをもらえなかったなどの理由で、
繋がることに恐れを持っている。
浅くて広い付き合いは上手だが、深い繋がりが苦手。
でも本当は深い繋がりを求めている。
- 不安型
親や主養育者からのケアが不安定で、子供が親に合わせていた。
いつも自分を大事にしてくれる人を求めているが、見つけたとしても、
見捨てられ不安があるため常にザワザワしている。
別名「とらわれ型」とも言い、関係に囚われて自分を見失いやすい。
- 回避型と不安型のミックス
見捨てられるのが怖いため、深い関係を回避する。
- 無秩序型
虐待やネグレクトなどの経験から、繋がることも、見捨てられることも恐れている。ランダムで予測がつかない。
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恋愛は一対一で親密に向き合うことになるので、
特にこの愛着パターンを刺激されやすいと思いますが、皆さんも思い当たるところがあるのではないでしょうか?
この映画には上記すべての愛着のタイプの登場人物が出てくるので、
登場人物の愛着タイプを予想したり、自分はどのタイプが考えながら見ても面白いかもしれません。
映画にはこの無秩序型に当てはる、まったく共感を得られないような「悪役」の男性が登場します。
彼はサイコパス(先天的に反社会的病質を抱えている)のようにも見えますが
浅井先生はおそらくソシオパス(過酷な状況で育ったことから後天的に反社会性パーソナリティー障害になった)
なのではないかとおっしゃっていて、
そう思うと彼のような人も癒されることを願わずにはいられません。
人を傷つける人はもれなく自分も傷ついているんですよね。
愛着とは「手続き記憶」と言われているそうで、
自然と出てしまう反応です。
もちろんトラウマがある場合カウンセリングやセラピーなどで癒していくことも大事ですが、
浅井先生は自分のパターン(くせ)に気づいて訓練していく「反復と努力」が必要とおっしゃっていました。
自分の癖になってしまった神経系や愛着のパターンを
見直してみたい方は浅井先生の以下の本などもおすすめです。
カウンセリングや心理を勉強し始めてから
トラウマを癒すことや自分を制限しているビリーフを手放すことにフォーカスしてきましたが、
ここ最近では神経系や愛着といった土台を
整え直すことの大事さにやっと気がついてきて私も勉強中です。
特にHSPの人は外から受け取った情報を深く処理してしまうという特徴があるので、
親や養育者の神経系の状態や、自分への接し方の影響をより強く受けている可能性が高いです。
自分を癒すことや、自分らしく生きていくための道のりは、
あの手この手で自分に合うアプローチをいろいろ試してみるのが良いと思います♪
今日ご紹介した映画も含めて、HSPに関する3本の映画は以下のサイトでレンタルすることも出来るので、
ご興味のある方はぜひ見てみてください。
https://sensitivethemovie.com/jp/
今回のイベントで私が強く感じたのは、
HSPという概念だけではなく、愛着やトラウマのことなど
人間の複雑さや多様性をもっと理解する情報が
多くの人に広まっていけば良いなということです。
心の話はタブーという風潮はまだあるように感じますが
「多様性」というのは国籍や肌の色やジェンダーや性的嗜好のことだけではなくて、
一人一人が本当に何もかも違うんだよ、
という視点がもっと広がれば、
自分のことももっと理解できて受け入れやすくなるし、
まったく異なるように思える他者に対しても
お互いに歩み寄れるのではないでしょうか。