アルビノの参加者のお話
参加者の中に、とても美しい20才くらいの女性がいました。彼女の母親はアニータの旧友で、彼女は母親と一緒にクルーズに参加していました。
その彼女が、勇気をもって、アニータと登壇した日がありました。
アルビノ(先天性白皮症)という疾患を知っていますか?
先天的にメラニン色素を作れない、またはあまり作れない遺伝子疾患のことです。
そのため生まれつき肌や髪の毛が白かったり、見た目にも特徴が現れやすいため、周りの無理解や葛藤を抱えている方も少なくありません。
彼女もアルビノで、そのことをずっとコンプレックスに感じていました。
そのため、自分の兄弟や友達が水着で遊んでいるのをうらやましく思いながらも、彼女は水着になれずに隠れていたと話してくれました。
皮肉にも、彼女の美しさから、周りの人から「モデルになったら良いのに」と言われることもありましたが、彼女は前に出ることを望んではいませんでした。
私たち参加者からは、彼女の美しさがはっきりと見えていました。それは外見だけではない美しさです。
アニータが彼女に登壇してもらったのは、彼女が自分自身の美しさに気づくためでもありますが、彼女だけの苦しみではないと分かっていたからでしょう。
彼女のシェアは、私たちはどんなに美しくても、自分に自信がなくて不安であることを教えてくれ、アニータはその一因として私たちがソーシャルメディアによって、過剰なプレッシャーにさらされていることをあげていました。
数人の参加者が、ステージ上の彼女に賞賛の声をかけているのを聞いて、私は胸が熱くなりました。
同情や励ましの声ではありません。
参加者それぞれの体験の痛みを共有し、痛みがあっても自分たちの美しさを何よりもまず自分たちが認める・・・。
それは彼女だけに向けた声ではなく、すべての人に向けられた声のように感じました。
アニータはステージに上がってくれた彼女の勇気を褒め称え「自分がもっとも恥じていることをシェアすることが一番人の心を打つ。なぜならそれは、みんなが自分自身でいることを許すから。」と言いました。
ビクトリアズ・シークレットのモデルもしているウィニー・ハーロウもアルビノを抱えていますが、その存在感で唯一無二のモデルになっています。
もしかしたら人は、他者の美しさを見ることの方が、自分の美しさを見ることよりも簡単なのかもしれません。
本当の美しさとは何か、見失わずにいたい・・・そんなことを感じた日でした。