セッションの際、クライアントさんのお悩みをお聞きするのですが
0か100かという思考で悩んでいる方がとても多いです。
この考え方は白黒思考とも言われます。
その名の通り、ゼロか100か、白か黒かという二極で答えを探し、
物事を柔軟に考えづらくなっているために
他の選択肢があることが見えなくなっている状態です。
極端であればあるほど、どちらにもメリット・デメリットがあるので
グルグル考えて答えが出せなかったり
知らずに世界を狭めてしまっている可能性があります。
タイムウェーバーセッションをする前に
カウンセリングでお悩みを整理していくと、
それだけでクライアントさんがスッキリしていることがよくあるのです。
白黒思考のお悩みにはこんな例があります。
それぞれの2行目は、その時のクライアントさんが見えていない視点です。
- 会社をすっぱり辞めて起業したいけれど、経済的に不安
- 本当に会社を今辞める必要がある?副業という選択肢は?
- 今の家族との生活から離れて、自然に囲まれた場所で一人静かに暮らしたい。でも寂しくなるのが不安で、どちらも選べない
- なぜ今の生活をすべてやめたいの?今の環境でストレスを解消する方法はない?
- 旦那のすべてにイライラする!早く別れたいけれど、子供がいるから別れられない。
- そのイライラの要因はなに?子供がいるから別れられないというのは本当?
これは色々なクライアントさんの実例を混ぜて例にしましたが、
みなさんも思い当たることはありませんか?
かくいう私も、以前は白黒思考になりやすいタイプだったんですよね。
実のところ今も白黒思考になることがありますが、
書き出しをしたり、内観することで、そんな自分に気づくようになりました。
例えば、以前ホテルに勤めていた時に、
その当時の部署の雰囲気が悪くて「一刻も早く異動したい」
と思ったことがあったんです。
その時はその選択肢しか見えず、
お世話になっていた系列ホテルの方に
泣きも入りながら相談してしまいました。
今思うと、重いし面倒なやつですよね・・。
信頼しているその人の部下として働きたいという思いも膨らみ、
その方も色々動いてくださったのですが
なかなかスムーズにいかず、私の苦しみは募っていました。
「心機一転頑張りたいのに、異動できない私はかわいそう!」
と本気で思っていました。
会社の異動は個人の希望だけではどうにもならず、
タイミングや上の意向など、色々な要素が絡み合うので
自分ではどうにもできない無力感も感じていました。
異動に向けて「動いてはいる」という情報を耳にしていたので、
私は待つことしかできないという日々の中、
驚きのニュースが耳に入ってきました。
なんと私が相談していた方が、退職するというのです。
ホテル業界では他ホテルに異動することはよくあるのですが、
何十年も勤めていたその人が転職するとは思ってもみませんでした。
そもそも「今の部署から異動したい」ということと
「信頼できるその人の部下として1から働きたい」
というモチベーションだった私は衝撃を受けました。
この異動話は私のカルマ解消のひとつとも言えそうな
人生でトップ3に入る天敵といえる人物(笑)も絡んできて、
実際はより複雑だったので、
私が異動の相談を真っ先にしたその方が退職すると聞いた時
もはやそのホテルにいる意味を見失い、
私も辞めることを決意しました。
その当時すでにヨガや心理カウンセリングの勉強を始めていたので、
ホテルを辞めたことで、
本当にやりたかった道へ一歩を踏み出すことになったのです。
振り返るとなぜそんなに異動にこだわっていたのか分かりませんが、
当時はその選択肢しか見えておらず、
その状態がとても苦しかったのは覚えています。
その時の私がしていなかったことは、
- 自分がいる部署の良い部分を見つけようとしなかった
- 自分が本当にやりたいことから逃げていた
- 感情的になる原因を見つめていなかった
- 色々な可能性を考えていなかった
ざっとこんなことが思い浮かびます。
私がもともといた部署は、家からも近く、
待遇もホテル業界の中では悪くありませんでした。
仲が良かった人たちがどんどん転職や異動をしてしまい
部署の雰囲気に活気はありませんでしたが、
残業もなく好きな勉強をできる有難い環境でもあったのです。
私が異動しようとしていた先は、
通勤時間も倍以上になり、待遇も一時的には下がる部署でした。
それでも「今の部署から抜け出したい」という思いが強すぎて、
異動したかったんですね。
でもそれは本来の私が進むべき道ではなかったから
意外な形で、天から「待った」がかかったような気がします。
その後、カウンセラーとして生きていくためには
アメリカで心理カウンセラーの資格を取るしかないと
また別の白黒思考で猪突猛進していましたが、
それにも「待った」がかかり今に至ります(笑)。
そのことは「私がセラピストになったわけ」
にも書いてあるので、よかったらお読みください。
こうしてみると私もまさに白黒思考な人生を歩んできたわけですが、
宇宙はちゃんと軌道修正をしてくれてましたね!
そう思うとどんな選択肢を選んでも「収まるべきところに収まる」
のかもしれませんし、
「収まった環境を正解にする」意識も大事だと思います。
いずれにしても、白黒思考の渦中はとっても苦しいです。
あなたの今のお悩みも、少し距離を置いて眺めてみたら
違う視点が見えてくるかもしれません。
それでも自分のお悩みはなかなか客観的に見えないので、
必要な時はプロの手を頼ってみてくださいね。